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2006年07月27日

食餌について

犬・猫ともにタマネギ・ネギで中毒を起こす、というのは有名な話ですから、みなさんもご存知のことと思います。
一方で、人間はタマネギで中毒を起こすことはありません。
なぜでしょうか?

理由はひとつ。
犬や猫と人間とは異なる種類の生き物ですから、体にとって良いもの、害のあるものは、それぞれ異なる場合がある、ということです。

もうひとつ例を挙げましょう。
ビタミンCが体のために良いと思ってらっしゃる方は多いと思います。
実際にビタミンCが含まれていることを看板に掲げた商品も多く見られます。
ところが、通常の場合、犬猫にはビタミンCを補給する必要はありません。
それどころか、犬猫に限らず、大半の動物はビタミンCの補給を必要としません。
なぜでしょうか?

ほとんどの動物は、自分自身の体内で、ビタミンCを作ることができます。
自分でビタミンCを作ることができないのは、人間やモルモットなど、わずかな動物種のみです。

すなわち、ビタミンC補給を必要とする「少数派」の人間の常識を、ビタミンC補給の必要が無い「多数派」の動物たちに押し付けても無意味だということです。
タマネギやビタミンCの例に限らず、人間の食事・栄養の常識が、犬猫をはじめとする動物達に当てはまらないことがあるのです。

犬と猫、それぞれの適切な食餌内容も異なります。
犬も猫も、本来肉食だった生き物が、雑食化しています。
ただ、その雑食化の程度が異なります。
犬は猫よりも雑食化が進み、食べ物の中の「肉」成分(動物性たんぱく質)は、猫よりもかなり少なくても生きていくことができます。
逆に、猫は動物性たんぱく質を多く必要とするため、例えばドッグフードを猫に与え続けると、支障をきたす恐れがあります。

犬も猫も、最適な栄養バランスがそれぞれ異なります。
ましてや、全く種類の違う生き物である我々人間にとっての「適正な栄養バランス」が、犬猫に最適ではないのは当然です。

投稿者 jasperah : 2006年07月27日 23:16

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