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2006年07月27日

犬や猫はこんな生き物

犬や猫とはどういう存在なのか、について簡単に確認しておきましょう。

犬・猫と人間は同じ哺乳類である以上、身体の基本構造や疾病の多くは同様です。
ただし、決定的に異なる点も当然存在するので、これを無視してはいけません。
人間の習慣の中には犬・猫にとって不適切なものもありますから、正確な知識を身につけましょう。

① 食べ物
犬や猫に必要な栄養バランスは人間とは異なります。
あなたがドッグフ-ドを食べて生活しないのと同様、犬・猫も人間の料理を食べることは不適当です。
犬・猫は人間と同じ食べ物で「生きる」ことは可能ですが、健康を維持できるかは疑問です。
犬や猫が人間の料理を好むのは刺激が強く、おいしく感じるからです。
刺激の強いものが必ずしも身体に良いとは限りません。
犬や猫がペットフ-ドを好まない理由のほとんどが、より刺激的なおいしい物を食べた経験があって、ペットフ-ドよりもおいしい物の存在を知ってしまったからです。
特に成長期の栄養は重要です。
この時期から人間の料理を多く食べる習慣があると、後に障害が発生することもあります。
② 順位付け
犬は群れ(人間と生活する場合はその家庭)の中での順位を非常に強く意識します。
自分はもちろん、周囲の仲間の順位も彼らの生活には重要なことなのです。
本来、群棲(群れを形成して生活する)動物である犬は群れを維持していくために秩序ある上下関係を本能的に要求します。
犬には真の意味での平等はありません。
複数の犬がいれば、例えわずかな差であったとしても必ず上下関係が発生し、上位の犬が常に優位となります。
生活上の仲間である人間の家族に対しても同様の順位付けを求めます。
犬が飼い主よりも上位であると認識した時点で、犬は飼い主のいうことをきかなくなります。

一方、猫は元来単独生活者ですから、家族の中に自分の順位を要求することはありません。
ただし、相性の良し悪しはあるでしょうから、家族のメンバーによって行動が変わることはあります。
猫が犬のようには訓練が入りにくいのは、順位付けには左右されず、「ボス犬に従う」ような習性が無いからです。

③ 入浴
犬も猫も汗をかきませんから、汗の汚れもありません。
したがって、人間の様に汗を洗い流すために毎日入浴する必要はありません。
むしろ、洗いすぎると皮膚のコンディションが悪化します。
個体差があるので、必ずとは言い切れませんが、シャンプ-は、2週間に1回程度までが限界と考えたほうが良いでしょう。

④ 歯石
犬や猫は虫歯にはなりにくい反面、歯石が非常に付きやすく、手入れを怠ると口臭や歯肉炎、歯の脱落などが起こります。
中高齢の犬・猫の多くが歯石による口の中のトラブルを抱えていると言われています。

⑤ 発情
メス犬の発情(生理)は定期的に訪れます。
6~8ヶ月周期が多い様ですが、中には5ヶ月周期や12ヶ月周期の犬も存在します。
出血は2~3週間続く事が多いですが、これもその犬によって異なります。
出血が始まって12~13日目の頃に排卵が起こります。
オス犬には特定の発情期は存在しません。
メス犬の発情の刺激によってオス犬は興奮します。
発情期のメス犬の「におい」は、一説には数百メ-トル離れていても届く事があると言われています。
したがって、すぐ近所にメス犬が飼われていなくても、オス犬が性的に興奮する事があるのは当然です。世間では多くの人がこの事実を誤解し、「オス犬の発情期」などという表現をしますが、これは誤りです。
発情とは、動物のメスの性周期のことを示す言葉です。

⑥ 犬や猫との生活の心構え
犬も人間と同様に、ほめてしつけるのが基本ですが、犬が不適切な行動をした場合にやむを得ずしかる事があります。
ただし、決してたたいたり蹴ったりしてはいけません。
なぜなら、たたく、蹴る、という行為は、犬社会には本来あり得ない(犬はたたいたり、蹴ったりできない)ので、犬には「教育的罰則」とは理解できません。
むしろ、「いじめ」に近い感情を持ち、自分をいじめる人や、その「いじめる道具」である手や足を毛嫌いする事もしばしばです。
殴られすぎた犬は、偶然近くで手を上げた他人をひどく警戒したり、自己防衛のために噛もうとしたりすることすらあります。
母犬が子犬をたしなめる様に、吠える、噛む、噛んで持ち上げる(振りまわす)などを摸倣した方が(決してあなたに、暴力を積極的に進めるわけではありません。念のため。)、しかられる側も理解しやすいのです。

犬や猫は元々現在の姿形で発生したわけではなく、人間が目的に合わせて改良し、育んできた動物です。
すべての犬や猫は(例え今は雑種化していても)目的があって現在の姿に作られたのです。
すでに太古の野生時代の面影すら失いつつある犬種、猫種もあります。
ですから、犬や猫に100%の「野生」「自然」を求める事には初めから無理があります。
特に犬は人間の存在無しには生きていけない生き物になってしまっています。
大自然の中で犬や猫が自由奔放に生活するというのは美しい理想ではありますが、実際にはまず不可能です。
現在の犬猫にとって、人間は不可分な存在なのです。
ですから、犬や猫の飼い主になられた方々に必ず覚えておいていただきたいことがあります。

1.犬や猫の幸・不幸は飼い主次第である。
2.「野生」や「自然のままに育てる」等の言葉を悪用して犬猫の飼育について手抜きをしない。

投稿者 jasperah : 2006年07月27日 22:33

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